派遣スタッフにもマイナンバーの提出義務がある?管理体制は大丈夫?
2015年から利用が開始され、所得の申請や公的書類の発行など、今ではお馴染みになりつつある「マイナンバー制度」。派遣スタッフとしてお仕事をする際も、マイナンバーを提出する必要があります。なぜ提出が必要なのか、どのように管理されているのか、気になりますよね。今回は、派遣の仕事とマイナンバーについて、解説します。
マイナンバーを提出する理由
派遣会社に登録するとき、マイナンバーの提出を求められます。なぜならマイナンバーは、雇用元である派遣会社が、派遣社員の社会保険や源泉徴収の手続きをする上で必要だからです。具体的には、給与報告書の提出や育児休暇などの給付金の申請などが挙げられます。いずれも法律で加入・手続き方法が定められています。
しかし提出義務とする法はないので、拒否することは可能です。マイナンバーを使用せずに、これらの処理をすることも現状可能です。提出しないことで不利益になることは基本ありませんが、手続きに時間がかかる可能性もあるので、なるべく提出した方がよいでしょう。
対照的に、派遣先の企業にはマイナンバーを提出する必要はありません。派遣社員の雇い主は派遣会社であり、派遣先企業ではないからです。もし派遣先企業から提出を求められたら「派遣元の企業に提出している」と伝えましょう。マイナンバーも個人情報の1つなので、むやみやたらに提示してはいけません。
マイナンバーは何に使われる?
そもそもマイナンバーは何に使われるのでしょうか。マイナンバー制度は、社会保障・税金・災害対策の3分野での使用が法律で定められています。
社会保障
住んでいる市町村と結びついており、健康保険や各種手当の手続きに使用されます。いざという時の休業手当や生活保護、子育て世代に大切な児童手当など、さまざまな公的制度でマイナンバーは使用されています。
税
みなさんにもっとも身近なのは確定申告でしょう。医療費控除やふるさと納税などのデータを一括して取り込み、確定申告を行うことができます。これまで申告するには記入書類が煩雑であったり、税務署に長時間並んだりしました。今では誰でもネットを使って短時間で申請が可能です。
災害対策
現在は被災者の台帳や支援金の支給に使用されています。マイナンバーを活用することで、迅速な現状把握・復旧支援につながっています。3分野を横断する番号により、行政は作業の効率化や不正受給を防止、私たちは手続きを簡単に行えるようになります。国民一人ひとりを管理するための番号ではなく、使用分野も限定的であることがポイントです。
またマイナンバーは基本的に手続きや申請時に使用する番号なので、この番号だけでは個人情報を特定することはできません。ただナンバーに紐づけられた情報は非常に大事な情報ばかりなので、番号やカードの扱いには細心の注意が必要です。なおマイナンバーの情報を外部に漏らした場合、マイナンバー法によって罰金や禁固刑に罰せられます。
マイナンバーの管理には人材派遣管理システムがおすすめ
派遣会社が派遣社員のマイナンバーを管理するには、どうすればよいのでしょうか。社員や会社の社会保障や税金にも関わってくるので、セキュリティにもこだわりたいですよね。おすすめは人材派遣管理システムです。スタッフの個人情報から勤怠管理、給与計算を一元管理できます。
また派遣先企業の情報や案件管理も可能なので、派遣元と派遣先双方の業務の効率化が見込めます。システムは大きくわけて3つ種類あります。
マッチング精度に特化
人材派遣業のおもな役割は、派遣社員と派遣先企業のマッチングです。たくさんの候補者の中から派遣先企業の要望に合った人材を選ぶ必要があります。システムを使用すれば、社員と企業双方の希望条件を照らし合わせる機能があるため、人材の適切且つすばやい紹介につながります。
案件管理に特化
マッチング後は、帳票の作成や社員・企業とのコミュニケーションがおもな業務になります。契約管理に特化したシステムでは、帳票の自動作成や顧客情報の管理機能が充実。ペーパーレス化や属人化の回避による柔軟な対応など、より効率的に社員・企業を支援できます。
労務管理に特化
勤怠管理や給与計算は簡単なようで、実は時間がかかる業務ですよね。勤怠管理と給与計算を両方備えたシステムを使えば、業務時間の大幅な短縮が期待できます。管理が短時間で終わるようになれば、派遣先企業の勤怠データの確認や請求作業もスピードアップ。派遣先企業の負担軽減にもつながります。
まとめ
マイナンバーは社会保障や税金に関する手続きに使われる番号で、派遣元企業には提出する必要があります。提出はマストではないですが、スムーズに手続きを行うためにも提出した方が賢明です。対して派遣先に提示する必要はありません。また個人情報の管理には人材派遣管理システムに使用していれば、漏洩のリスクを軽減できるでしょう。加えて業務効率化やきめ細かい対応が望めます。社員・企業ともにマイナンバーの管理には細心の注意を払ってください。